公演日・演目等について
1.公演の日時・演目
□ と き:令和3年10月9日(土) 午後3時開場 午後5時30分開演
□ ところ:延岡城址二の丸広場
(雨天の場合は延岡総合文化センター 午後5時開場 午後5時30分開演)
□ 演目(公演順)
〇仕舞「嵐山(あらしやま))」「羽衣(はごろも)」
〇能 「橋弁慶(はしべんけい)」
○狂言 「仏師(ぶっし)」
○能 「葵上(あおいのうえ)」
□ 出 演
片山 九郎右衛門
茂山千五郎 ほか
延岡市のこどもたち
片山九郎右衛門
茂山千五郎
2.今年の薪能の特徴
□ 昨年は新型コロナ感染症拡大で、1997年以来23回連続した公演を中止し今年度に延期させていただきました。中止をしたことで私たちは、改めて多くの人々に支えられてきたことを実感しました。再開できることの喜びを共有しながら感謝の気持ちを込めた特別な公演です。
□ 第35回国民文化祭・みやざき2020 第20回全国障害者芸術・文化祭みやざき大会の分野別フェスティバル事業として開催します。薪能公演に加えて薪能の舞台・会場を市民に開放した“石垣の祝祭「能舞台と石垣音楽コンサート」”を薪能の翌日に開催します。
□ 安全・安心して薪能を鑑賞するために新型コロナ感染症は、今後、再び感染爆発が起き、いつ地域医療の崩壊が発生するかわからない状況が続いています。そこで、お客様に安全、安心して公演を楽しんでいただくための感染対策を最優先して開催します。入場の際の検温、手指消毒、マスク着用の徹底、全員の連絡先を明記した名簿等を作成いたします。大変なご不便、ご面倒をおかけすることになりますが、皆さんが安心して薪能を楽しんでいただくためにご理解、ご協力をお願いいたします。なお、感染状況によっては、公演中止となることも想定されますことをご承知おきください。
- 間隔を広くした、安心・安全の観客席です。新型コロナ感染症感染防止のため、1300席の座席が設置できる桟敷に半分の席しか設けません。隣同士の間隔を今までの倍になります。そのため、ゆっくりと、広い視点での鑑賞ができます。座席はSS席・S席(指定)とA(自由)の3種類としますので、ご購入の際にはご注意をお願いします。
- 延岡の子供たち4人が今年も出演します。プロの公演に開催地地元の子供たちも出演するのは大変珍しものですが、本公演で11回連続13度目の取り組みになります。今回は仕舞2曲を舞うとともに、二人が「橋弁慶」に出演、片山九郎右衛門と共演します。
※「のべおか天下一薪能と延岡の子供たち」については、別紙資料をお付けしますのでご参照ください。
□ 雨天の場合は、延岡総合文化センターで蝋燭能公演を行います。
□ 和服で鑑賞されたい方を対象にボランティアによる無料着付けサービスを行う予定です(予約制)
□「光彩華絵巻」――当日は、「日本の歴史公園100選」 「続日本名城100選」の城山の会場全体を幻想的にライトアップして、光の演出で皆様をお迎えいたします。
□ 高齢や足が不自由な方にも、安心して会場にお越しいただくために、南側登城口(中企センター前)から三の丸までの坂道に無料のシャトルカーを運行します。
「のべおか天下一薪能」チケット購入ご案内
● 座席の種類と金額
<一部指定>
指定SS席(1万円)※完売しました 指定S席(8千円) 自由A席(5千円)
●すべて ハガキ、FAX、メールでのお申し込み(プレイガイド販売/ツアーバスはありません)
※次の事項を記入してお申し込みください。チケットは郵送となります。
①郵便番号・住所 ②氏名 ③連絡先(電話番号)④希望の座席種類と枚数
座席は事務局で指定します。
・ハガキ 〒882-0813延岡市東本小路131-5 延岡市民協働まちづくりセンター内
のべおか天下一市民交流機構
・FAX 0982-32-6151
・メール tengaichi@dolphin.ocn.ne.jp
演目紹介
演目紹介
能「橋弁慶」
比叡の荒法師、武蔵坊弁慶は京都五条の天神参詣が満願となる日、従者から最近、五条大橋に不思議な少年が現れ、神業のような身の軽さで通行人を襲っているので参詣を控えるように進言されます。しかし、逆に退治してやろうと、参詣を決意します。その少年こそがのちに義経となる牛若丸。鞍馬の天狗の庇護のもと武術を磨き上げ、五条大橋に現れては父義朝の恨みを晴らすため、平家の侍を千人斬ることをめざし襲っていました、牛若は女に変装し一瞬油断していた弁慶にすれ違いざまに長刀を蹴り上げます。激しく戦う二人でしたが、機敏でかろやかな牛若の動きに弁慶はついていけず、立ち尽くすのでした。少年は身分を明かし、それを知った弁慶は
主従の契りを結ぶのでした。
能「葵上」
光源氏の正妻となった左大臣の娘、葵上は最近モノノケに悩まされていました。モノノケの正体を知るべく院の臣下が照日の巫女に口寄せさせていると一人の女性が現れます。
彼女はかつて“車争い”で葵上に辱めを受けた光源氏とかつて深い仲であった六条御息所の怨霊だと明かし、自らの抱える辛い思いを吐露しはじめます。そうするうちに次第に感情が昂ぶっていった彼女は、葵上を責め苛むと、彼女を冥府へ連れ去ろうと言い出します。臣下は急いて横川の小聖を招き、祈祷をはじめます。するとそこへ鬼女の姿となった御息所の怨霊が現れ、なおも葵上を害しょうとします。しかし鬼女は小聖の法力の苗に力尽き、成仏してゆくのでした。
狂言 「仏 師」
田舎に暮らす男が自宅に御堂を建て、本尊にする仏像を求めて都にやってきます。仏師がどこにいるか、どういう人かもわからないまま、大声を出しながら仏師を探して街中を歩き回ります。するとそこへ一人の男がいかにも親切そうに近づき、自分が仏師であるというのです。田舎の男は大喜び、早速仏像を注文すると、その男は明日までに造り上げますといいます。翌日、その男のところを訪ねると、確かに完成した仏像が安置されています。すばらしい出来栄えに田舎の男は感激、ついつい仏像に手を触れると、仏像は人肌みたいに温かいのだ。なんか怪しい。印相も悪いので、直してほしいと仏師を呼ぶのですが・・・実は、その仏師は詐欺師。自分が仏像に成りすましていたのです。さて、この顛末は・・・・。
第35回国民文化祭・みやざき2020
第20回全国障害者芸術・文化祭みやざき大会
分野別フェスティバル
- 石垣の祝祭「能舞台と石垣コンサート」(入場無料)
・開催日 10月10日 12:00開場 13:00開演 16:00終演予定
・場 所 延岡城址二の丸広場
・入場無料
のべおか天下一薪能の舞台と会場を市民の皆さんに開放した音楽・舞踊イベントです。
“千人殺し”の石垣を背景に日本一の総ヒノキの能舞台が市民の皆さんの自由な空間になります。10を超える伝統音楽や舞踊、軽音楽、こどもから高齢者まで幅広い市民グループが参加。城下町延岡の象徴である石垣に見守られながら四百年以上の年月の間で育まれてきたまちの歴史と文化を愛でる祝祭です。特別出演として大阪を中心に活動するフルートアンサンブル「Si-shen(シシン)」と大分県竹田市のリコーダーアンサンブル「奏」が笛の音を城址の森に響かせます。
(2)振り返るのべおか天下一薪能展
- 開催時期:10月2日~10月10日
- 場 所:市民協働まちづくりセンター
- 入場無料
1997年の第1回の薪能から2019年第23回公演までの公式記録写真を中心に、さまざまな資料を展示。市民参加によるのべおか天下一薪能の歴史を振り返ります。
(3)光彩華絵巻
・開催日 10月9日 17:00頃~
・場所 のべおか天下一薪能会場周辺
延岡市内の市民活動団体「彩の会」が中心になって延岡城址の会場までの通路を中心に灯
籠などで美しく飾り、雰囲づくりを
おもな出演者プロフィール
片山九郎右衛門 (かたやま くろうえもん)
観世流シテ方。1964年九世片山九郎右衛門=故幽雪(人間国宝)の長男として生まれる。祖母は京舞井上流四世家元の故井上愛子(人間国宝)、姉は五世井上八千代(人間国宝)。幼少より父、長じて八世観世銕之丞(人間国宝)に師事。のべおか天下一薪能をはじめとして各地の能公演のプロデュースなどにも意欲的に取り組む。海外公演にも積極的に参加しており、のべおか天下一薪能ドイツ公演を監修。1997年京都府文化賞奨励賞、2003年京都市芸術新人賞、2003年文化庁芸術祭新人賞、2007年日本伝統文化振興財団賞、2015年、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。2008年から京都観世会会長、2011年に十世片山九郎右衛門を襲名。
茂山千五郎(しげやま せんごろう)
大蔵流狂言師狂言師。1972年十三世千五郎=五世千作の長男として生まれる。祖父は四世千作(人間国宝)で祖父、父らに師事。4歳の時に「以呂波」のシテにて初舞台。かつて「花形狂言会」「狂言小劇場」「TOPPA!」や若手能楽師による能楽グループ「心味の会」を主催し、狂言のみならず能楽のファン開拓にも力を注ぐ。現在は「茂山狂言会」、弟の茂との兄弟会「傅之会」、落語家桂よね吉との二人会「笑えない会」を主催し、幅広い年代層へ狂言の魅力を伝える。また上海京劇院・厳慶谷や川劇変面王・姜鵬とのコラボ公演など、他ジャンルとの共演も精力的に行う。2016年 十四世茂山千五郎を襲名
片山九郎右衛門
茂山千五郎
【参考資料】
世界遺産能楽と能楽の
片山九郎右衛門 茂山千五郎
のべおか天下一薪能 公演活動履歴(特別公演を含む) ※●・・・・文化センター蝋燭能公演
| 年 | 公演演目 | 特記事項 |
1 | 1997(H9) | 松風 / 太刀奪 |
|
2 | 1998(H10) | 船弁慶 / 棒 縛- 葵 上 / 佐渡狐 | 6月 国立能楽堂 特別公演 |
3 | 1999(H11) | 清 経 / 仏 師 景清 | 6月 宮崎公演 |
4 | 2000(H12) | 菊慈童 国栖 / 附子 |
|
5 | 2001(H13) | 羽衣 土蜘蛛 / 水掛婿 |
|
6 | 2002(H14) | 杜若 鞍馬天狗 /貰婿 | こども能プログラム開始 |
7 | 2003(H15) 延岡城築城 400年記念事業 | 高砂 殺生石 /萩大名 京舞と能特別公演 海外公演(ドイツ連邦ボン市) | ● 珠取海士(京舞) 海士(能) 大会(語り) 翁 天鼓 葵上 羽衣 敦盛 土蜘蛛他 |
8 | 2004(H16) | 敦盛 俊寛 / 延命袋 | 竜田(一調一管) |
9 | 2005(H17) | 天鼓 葵上 / 千鳥 |
|
10 | 2006(H18) | 井筒 鞍馬天狗 / 附子 紅葉狩 自然居士/ 鬼瓦 | 10周年記念公演(2日間公演) |
11 | 2007(H19) | 竜田 安達原 / 察化 |
|
12 | 2008(H20) | 絵馬 小鍛治 / 伯母ケ酒 |
|
13 | 2009(H21) | 屋島 一角仙人 / 棒縛 | 子方出演 |
14 | 2010(H22) | 半蔀 海士 / 昆布売 | ● 子方出演 |
15 | 2011(H23) | 桜川 松山天狗/ 萩大名 | 子方出演 |
16 | 2012(H24) | 岩船 船弁慶 藤戸 /棒縛 | 子方出演 |
17 | 2013(H25) | 二人静 国栖 / 狐塚 | 子方出演 子ども+幽雪附祝言 |
18 | 2014(H26) | 猩々 鵜羽 / 因幡堂 | ● 子ども+幽雪最後 |
19 | 2015(H27) | 春日龍神 項羽 / 棒縛 | 子方出演 萬斎出演 |
20 | 2016(H28) | 道成寺 / 蝸牛 | 20周年公演 萬斎出演 子ども連吟 |
21 | 2017(H29) | 三輪 野守 / 清水 | 嵐山 吉野夫人 猩々(こども仕舞) |
22 | 2018(H30) | 恋重荷 羽衣 / 太刀奪 | ●岩船 猩々 舎利(こども仕舞) |
23 | 2019(R1) | 海士 景清 / 魚説経 | 子方出演 羽衣 合浦(仕舞)船弁慶(連吟) |
24 | 2020(R2) | 中止 | 新型コロナ感染症拡大防止のため |
24 | 2021(R3) | 橋弁慶 葵上 / 仏師 | 第35回国民文化祭分野別フェスティバル |
こども能楽プロジェクト
のべおかの“宝”の共演
延岡は400年以上にわたる能楽の歴史があります。今に残る文献の中に歴代城主が城下町の住民のために毎年「神事能」として、春秋隔年交代しながら毎年1回開催していたとあります。私たちが言う「内藤家旧蔵の能面」がいま、延岡に在るのは、そうした歴史的な裏づけがあるからであり、私たちが平成の世になって「のべおか天下一薪能」を開催するのは歴史的な必然であると思っています。
その当時の「神事能」は城主から借り受けた能面、装束を活用し、自ら延岡城下の人々が演じたとあります。それこそは、今の私たちには叶いませんが、どこかでその天下一の舞台に地域の人々の痕跡を残し、私たちが受け継いだ能の歴史を、未来に繋いで行くにはどうしたらよいか。その模索の中で、ふるさと延岡の次代を担う子供たちに薪能に参加させることで、私たちが叶わなかった夢を託したいと思いました。
「鞍馬天狗」の花見の稚児役としてはじめて出演したのが平成14年(2002年)。人間国宝の九世片山九郎右衛門(当時)さんとの共演を果たしました。それから4年後、第10回の記念公演(平成18年・2006年)で「鞍馬天狗」の再演も成功し、まったく能に無縁な地方都市のこどもたちがプロの公演の中に入っても見劣りしないその力を発揮することを私たちは知りました。そうした地域の自信が子供たちに日本の伝統芸能である能楽文化を根付かせることをめざした「こども能プログラム」に発展しました。
このプログラムは、プロの大人の公演に参加させるだけでなく、子どもたちだけで能を演じることを目標としたもので、平成19年(2007年)にスタートさせ、平成20年(2008)にはシテ、ツレ、地謡を子どもたちが務めた「舎利」公演を実施しました。こうした実績を踏まえて、本格的な「子方」として高度な演技力が求められる公演に出演することへの自信に繋がりました。
平成21年(2009年)の第13回公演では、「一角仙人」の龍神役として二人の子どもたちが出演することになりました。能の後半部分の重要な役どころとして、閉じ込められていた岩屋から飛び出し、シテの一角仙人と対峙し、刀を合わせるいわゆる“立ち回り”がある役どころでした。さらに平成22年(2010年)の第14回には子方でもさらにレベルが高い「海士」の房前大臣役として出演しました。最初から最後まで、ずっと舞台上で演じ続けなくてはならない重要な役どころです。派手な動きはなく、じっと座したまま1時間以上にわたり緊張が続きます。難しい節回しの謡によるいわゆるセリフの数も増え、それも物語の重要な場面です。観客の気持ちに添うように、亡き母との出逢いと愛の物語を演じました。平成23年(2011年の第15回では「桜川」の子方・桜児役で出演しました。
平成24年(2012年)は、4月に福岡博多座での公演「鞍馬天狗」に出演、これは博多座からオファーがあり、十世片山九郎右衛門さん、狂言の野村萬斎さんとの共演を果たし、同じ年の第16回のべおか天下一薪能の「船弁慶」の公演でも義経役として重要な役どころを務め、嵐の海で襲い掛かる平知盛との一騎打ちを見事に演じあげました。
平成25年(2013年)の第17回では延岡の子供たちから選ばれた子は、4年以上のキャリアを持ち、加えて公演のために京都に出向き、直接、京都市内の由緒ある能楽堂の舞台を使って研鑽に努めてまいりました。「国栖」の浄御原天皇の役として、十世片山九郎右衛門と共演しました。
平成26年(2014年)第18回では、普通はない出番を片山九郎右衛門さんが特別演出という形で作ってくださいました。「猩々」で4人の延岡の子供たちが人間国宝・片山幽雪さんと舞いました。それが幽雪さんにとって延岡での最後の舞台になったことは、感慨深いものがあります。さらに前年に引き続き能楽子供教室の子供たち全員にも登場の場を作っていただきました。
最初に“子方ありき”という考えには賛否両論があるのだと思います。しかし、私たちは今、延岡の街に再び根付き始めた能楽の文化を次の世代に受け継いでいくという想いがあります。そのためには、思いに応えてくれる子供たちの存在が必要であり今、あらたな伝統となって子供たちのなかで引き継がれているような気がします。
平成27年(2015年)の第19回もまた「春日龍神」へ出演しました。そして平成28年(2016年)の第20回の公演では仕舞3曲を舞いました。平成29年、平成30年も同様仕舞を舞いました。2年ぶりとなる今年も2曲の仕舞と、「橋弁慶」では子方による牛若丸役に加えて弁慶の従者役としての出演が決定。稽古が始まったところです。これで11年連続13回目の共演であり、単独子供能公演と博多座出演を加えると15回となります。「世界文化遺産・能楽界の至宝」と「能楽の街延岡の宝」である子どもたちの共演を、またお楽しみください。
第24回 のべおか天下一薪能
公演日・演目等について
1.公演の日時・演目
□ と き:令和3年10月9日(土) 午後3時開場 午後5時30分開演
□ ところ:延岡城址二の丸広場
(雨天の場合は延岡総合文化センター 午後5時開場 午後5時30分開演)
□ 演目(公演順)
〇仕舞「嵐山(あらしやま))」「羽衣(はごろも)」
〇能 「橋弁慶(はしべんけい)」
○狂言 「仏師(ぶっし)」
○能 「葵上(あおいのうえ)」
□ 出 演
片山 九郎右衛門
茂山千五郎 ほか
延岡市のこどもたち
2.今年の薪能の特徴
□ 昨年は新型コロナ感染症拡大で、1997年以来23回連続した公演を中止し今年度に延期させていただきました。中止をしたことで私たちは、改めて多くの人々に支えられてきたことを実感しました。再開できることの喜びを共有しながら感謝の気持ちを込めた特別な公演です。
□ 第35回国民文化祭・みやざき2020 第20回全国障害者芸術・文化祭みやざき大会の分野別フェスティバル事業として開催します。薪能公演に加えて薪能の舞台・会場を市民に開放した“石垣の祝祭「能舞台と石垣音楽コンサート」”を薪能の翌日に開催します。
□ 安全・安心して薪能を鑑賞するために新型コロナ感染症は、今後、再び感染爆発が起き、いつ地域医療の崩壊が発生するかわからない状況が続いています。そこで、お客様に安全、安心して公演を楽しんでいただくための感染対策を最優先して開催します。入場の際の検温、手指消毒、マスク着用の徹底、全員の連絡先を明記した名簿等を作成いたします。大変なご不便、ご面倒をおかけすることになりますが、皆さんが安心して薪能を楽しんでいただくためにご理解、ご協力をお願いいたします。なお、感染状況によっては、公演中止となることも想定されますことをご承知おきください。
※「のべおか天下一薪能と延岡の子供たち」については、別紙資料をお付けしますのでご参照ください。
□ 雨天の場合は、延岡総合文化センターで蝋燭能公演を行います。
□ 和服で鑑賞されたい方を対象にボランティアによる無料着付けサービスを行う予定です(予約制)
□「光彩華絵巻」――当日は、「日本の歴史公園100選」 「続日本名城100選」の城山の会場全体を幻想的にライトアップして、光の演出で皆様をお迎えいたします。
□ 高齢や足が不自由な方にも、安心して会場にお越しいただくために、南側登城口(中企センター前)から三の丸までの坂道に無料のシャトルカーを運行します。
「のべおか天下一薪能」チケット購入ご案内
● 座席の種類と金額
<一部指定>
指定SS席
(1万円)※完売しました 指定S席(8千円) 自由A席(5千円)●すべて ハガキ、FAX、メールでのお申し込み(プレイガイド販売/ツアーバスはありません)
※次の事項を記入してお申し込みください。チケットは郵送となります。
①郵便番号・住所 ②氏名 ③連絡先(電話番号)④希望の座席種類と枚数
座席は事務局で指定します。
・ハガキ 〒882-0813延岡市東本小路131-5 延岡市民協働まちづくりセンター内
のべおか天下一市民交流機構
・FAX 0982-32-6151
・メール tengaichi@dolphin.ocn.ne.jp
演目紹介
演目紹介
能「橋弁慶」
比叡の荒法師、武蔵坊弁慶は京都五条の天神参詣が満願となる日、従者から最近、五条大橋に不思議な少年が現れ、神業のような身の軽さで通行人を襲っているので参詣を控えるように進言されます。しかし、逆に退治してやろうと、参詣を決意します。その少年こそがのちに義経となる牛若丸。鞍馬の天狗の庇護のもと武術を磨き上げ、五条大橋に現れては父義朝の恨みを晴らすため、平家の侍を千人斬ることをめざし襲っていました、牛若は女に変装し一瞬油断していた弁慶にすれ違いざまに長刀を蹴り上げます。激しく戦う二人でしたが、機敏でかろやかな牛若の動きに弁慶はついていけず、立ち尽くすのでした。少年は身分を明かし、それを知った弁慶は
主従の契りを結ぶのでした。
能「葵上」
光源氏の正妻となった左大臣の娘、葵上は最近モノノケに悩まされていました。モノノケの正体を知るべく院の臣下が照日の巫女に口寄せさせていると一人の女性が現れます。
彼女はかつて“車争い”で葵上に辱めを受けた光源氏とかつて深い仲であった六条御息所の怨霊だと明かし、自らの抱える辛い思いを吐露しはじめます。そうするうちに次第に感情が昂ぶっていった彼女は、葵上を責め苛むと、彼女を冥府へ連れ去ろうと言い出します。臣下は急いて横川の小聖を招き、祈祷をはじめます。するとそこへ鬼女の姿となった御息所の怨霊が現れ、なおも葵上を害しょうとします。しかし鬼女は小聖の法力の苗に力尽き、成仏してゆくのでした。
狂言 「仏 師」
田舎に暮らす男が自宅に御堂を建て、本尊にする仏像を求めて都にやってきます。仏師がどこにいるか、どういう人かもわからないまま、大声を出しながら仏師を探して街中を歩き回ります。するとそこへ一人の男がいかにも親切そうに近づき、自分が仏師であるというのです。田舎の男は大喜び、早速仏像を注文すると、その男は明日までに造り上げますといいます。翌日、その男のところを訪ねると、確かに完成した仏像が安置されています。すばらしい出来栄えに田舎の男は感激、ついつい仏像に手を触れると、仏像は人肌みたいに温かいのだ。なんか怪しい。印相も悪いので、直してほしいと仏師を呼ぶのですが・・・実は、その仏師は詐欺師。自分が仏像に成りすましていたのです。さて、この顛末は・・・・。
第35回国民文化祭・みやざき2020
第20回全国障害者芸術・文化祭みやざき大会
分野別フェスティバル
・開催日 10月10日 12:00開場 13:00開演 16:00終演予定
・場 所 延岡城址二の丸広場
・入場無料
のべおか天下一薪能の舞台と会場を市民の皆さんに開放した音楽・舞踊イベントです。
“千人殺し”の石垣を背景に日本一の総ヒノキの能舞台が市民の皆さんの自由な空間になります。10を超える伝統音楽や舞踊、軽音楽、こどもから高齢者まで幅広い市民グループが参加。城下町延岡の象徴である石垣に見守られながら四百年以上の年月の間で育まれてきたまちの歴史と文化を愛でる祝祭です。特別出演として大阪を中心に活動するフルートアンサンブル「Si-shen(シシン)」と大分県竹田市のリコーダーアンサンブル「奏」が笛の音を城址の森に響かせます。
(2)振り返るのべおか天下一薪能展
1997年の第1回の薪能から2019年第23回公演までの公式記録写真を中心に、さまざまな資料を展示。市民参加によるのべおか天下一薪能の歴史を振り返ります。
(3)光彩華絵巻
・開催日 10月9日 17:00頃~
・場所 のべおか天下一薪能会場周辺
延岡市内の市民活動団体「彩の会」が中心になって延岡城址の会場までの通路を中心に灯
籠などで美しく飾り、雰囲づくりを
おもな出演者プロフィール
片山九郎右衛門 (かたやま くろうえもん)
観世流シテ方。1964年九世片山九郎右衛門=故幽雪(人間国宝)の長男として生まれる。祖母は京舞井上流四世家元の故井上愛子(人間国宝)、姉は五世井上八千代(人間国宝)。幼少より父、長じて八世観世銕之丞(人間国宝)に師事。のべおか天下一薪能をはじめとして各地の能公演のプロデュースなどにも意欲的に取り組む。海外公演にも積極的に参加しており、のべおか天下一薪能ドイツ公演を監修。1997年京都府文化賞奨励賞、2003年京都市芸術新人賞、2003年文化庁芸術祭新人賞、2007年日本伝統文化振興財団賞、2015年、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。2008年から京都観世会会長、2011年に十世片山九郎右衛門を襲名。
茂山千五郎(しげやま せんごろう)
大蔵流狂言師狂言師。1972年十三世千五郎=五世千作の長男として生まれる。祖父は四世千作(人間国宝)で祖父、父らに師事。4歳の時に「以呂波」のシテにて初舞台。かつて「花形狂言会」「狂言小劇場」「TOPPA!」や若手能楽師による能楽グループ「心味の会」を主催し、狂言のみならず能楽のファン開拓にも力を注ぐ。現在は「茂山狂言会」、弟の茂との兄弟会「傅之会」、落語家桂よね吉との二人会「笑えない会」を主催し、幅広い年代層へ狂言の魅力を伝える。また上海京劇院・厳慶谷や川劇変面王・姜鵬とのコラボ公演など、他ジャンルとの共演も精力的に行う。2016年 十四世茂山千五郎を襲名
片山九郎右衛門
茂山千五郎
【参考資料】
世界遺産能楽と能楽の
片山九郎右衛門 茂山千五郎
のべおか天下一薪能 公演活動履歴(特別公演を含む) ※●・・・・文化センター蝋燭能公演
6月 国立能楽堂 特別公演
6月 宮崎公演
こども能楽プロジェクト
のべおかの“宝”の共演
延岡は400年以上にわたる能楽の歴史があります。今に残る文献の中に歴代城主が城下町の住民のために毎年「神事能」として、春秋隔年交代しながら毎年1回開催していたとあります。私たちが言う「内藤家旧蔵の能面」がいま、延岡に在るのは、そうした歴史的な裏づけがあるからであり、私たちが平成の世になって「のべおか天下一薪能」を開催するのは歴史的な必然であると思っています。
その当時の「神事能」は城主から借り受けた能面、装束を活用し、自ら延岡城下の人々が演じたとあります。それこそは、今の私たちには叶いませんが、どこかでその天下一の舞台に地域の人々の痕跡を残し、私たちが受け継いだ能の歴史を、未来に繋いで行くにはどうしたらよいか。その模索の中で、ふるさと延岡の次代を担う子供たちに薪能に参加させることで、私たちが叶わなかった夢を託したいと思いました。
「鞍馬天狗」の花見の稚児役としてはじめて出演したのが平成14年(2002年)。人間国宝の九世片山九郎右衛門(当時)さんとの共演を果たしました。それから4年後、第10回の記念公演(平成18年・2006年)で「鞍馬天狗」の再演も成功し、まったく能に無縁な地方都市のこどもたちがプロの公演の中に入っても見劣りしないその力を発揮することを私たちは知りました。そうした地域の自信が子供たちに日本の伝統芸能である能楽文化を根付かせることをめざした「こども能プログラム」に発展しました。
このプログラムは、プロの大人の公演に参加させるだけでなく、子どもたちだけで能を演じることを目標としたもので、平成19年(2007年)にスタートさせ、平成20年(2008)にはシテ、ツレ、地謡を子どもたちが務めた「舎利」公演を実施しました。こうした実績を踏まえて、本格的な「子方」として高度な演技力が求められる公演に出演することへの自信に繋がりました。
平成21年(2009年)の第13回公演では、「一角仙人」の龍神役として二人の子どもたちが出演することになりました。能の後半部分の重要な役どころとして、閉じ込められていた岩屋から飛び出し、シテの一角仙人と対峙し、刀を合わせるいわゆる“立ち回り”がある役どころでした。さらに平成22年(2010年)の第14回には子方でもさらにレベルが高い「海士」の房前大臣役として出演しました。最初から最後まで、ずっと舞台上で演じ続けなくてはならない重要な役どころです。派手な動きはなく、じっと座したまま1時間以上にわたり緊張が続きます。難しい節回しの謡によるいわゆるセリフの数も増え、それも物語の重要な場面です。観客の気持ちに添うように、亡き母との出逢いと愛の物語を演じました。平成23年(2011年の第15回では「桜川」の子方・桜児役で出演しました。
平成24年(2012年)は、4月に福岡博多座での公演「鞍馬天狗」に出演、これは博多座からオファーがあり、十世片山九郎右衛門さん、狂言の野村萬斎さんとの共演を果たし、同じ年の第16回のべおか天下一薪能の「船弁慶」の公演でも義経役として重要な役どころを務め、嵐の海で襲い掛かる平知盛との一騎打ちを見事に演じあげました。
平成25年(2013年)の第17回では延岡の子供たちから選ばれた子は、4年以上のキャリアを持ち、加えて公演のために京都に出向き、直接、京都市内の由緒ある能楽堂の舞台を使って研鑽に努めてまいりました。「国栖」の浄御原天皇の役として、十世片山九郎右衛門と共演しました。
平成26年(2014年)第18回では、普通はない出番を片山九郎右衛門さんが特別演出という形で作ってくださいました。「猩々」で4人の延岡の子供たちが人間国宝・片山幽雪さんと舞いました。それが幽雪さんにとって延岡での最後の舞台になったことは、感慨深いものがあります。さらに前年に引き続き能楽子供教室の子供たち全員にも登場の場を作っていただきました。
最初に“子方ありき”という考えには賛否両論があるのだと思います。しかし、私たちは今、延岡の街に再び根付き始めた能楽の文化を次の世代に受け継いでいくという想いがあります。そのためには、思いに応えてくれる子供たちの存在が必要であり今、あらたな伝統となって子供たちのなかで引き継がれているような気がします。
平成27年(2015年)の第19回もまた「春日龍神」へ出演しました。そして平成28年(2016年)の第20回の公演では仕舞3曲を舞いました。平成29年、平成30年も同様仕舞を舞いました。2年ぶりとなる今年も2曲の仕舞と、「橋弁慶」では子方による牛若丸役に加えて弁慶の従者役としての出演が決定。稽古が始まったところです。これで11年連続13回目の共演であり、単独子供能公演と博多座出演を加えると15回となります。「世界文化遺産・能楽界の至宝」と「能楽の街延岡の宝」である子どもたちの共演を、またお楽しみください。