公演日・演目等について

1、公洟の日時・演目

■ と き:令和6年10月12日(土) 午後3時開場午後5時30分開演
■ ところ :延岡総合文化センター)
■演目(公演順)
○連吟 「鶴亀(つるかめ)」
○仕舞 「合浦(がっぽ)」「天鼓(てんこ)」
○能 「嵐 山(あらしやま)」
○狂言 「二九十八(にくじゅうはち)」
○能 「花筐(はながたみ)」
■出演
片山 九郎右衛門
宝生 欣哉(人間国宝
茂山 逸平
ほか延岡市のこどもたち

2、今年の公演の特徴

■会場は延岡総合文化センターとします。延岡城址二の丸広場で開催するためは会場づくりにニカ月近く期間が必要な上に、多額の資金と、マンパワーが必要となります。これまで四半世紀を超える歴史を維持するために高い志を持って活動してきましたが、実行委員会メンバーの高齢化に加えて、マンパワー不足、運営資金の確保が年々困難になってきました。だからといって延岡に根づいた能楽の文化はもちろん市民参加による地域の魅力発信とふるさとへの愛着、誇りを醸成するこの事業を止めるわけにはいきません。関係者との協議を重ね、今後も持続可能にするための方法としての会場変更です。

■『天下ーの能面を活用した天下一の舞』を基本理念とした私たちの取り組みは今年も継続です。延岡城址千人殺しの石垣はありませんが、屋内での公演においても、『天下ー』をめざします。
来年以降については今年の状況や市民の皆様のご意見を伺いながら検討してまいります。なお正確には「薪能」ではなくなりますが、今年も継続して「のべおか天下一薪能」とさせていただきます。

■片山九郎右衛門さんのほか、出演者の中にはワキ方を務める宝生欣哉さんは2023年に祖父、父に継いで三代にわたる人間国宝認定者となりました。能楽界では最年少での認定です。

■狂言の大蔵流 茂山逸平さんは、テレビ、映画俳優としても活躍中。NHKの大河ドラマや朝のテレビ小説(朝ドラ)に多数出演しています。

■昨年度、私たちの長年にわたる「のべおか天下一薪能」の開催をはじめとする地域での能楽振興の活動について「地域文化功労文部科学大臣表彰」を受賞いたしました。今年の公演はその記念事業として開催いたします。

■この公演の大きな特徴は、人間国宝認定者を含め日本を代表する能楽師の公演に地元のこどもたちが参加して共演することです。これまで13回連続、15回にわたって出演しています。
こうした取り組みは全国的に珍しく、意欲的な取り組みとして高い注目を集めています。

■地元のこどもは「嵐山」「花筐」の二曲に出演します。「花筐」では子方として継体天皇を演じます。「嵐山」では、後ツレの二人の神様「勝手明神」「木守明神」を演じます。これはこの曲ができたと推測される室町時代の古いカタチを復刻することになります。

■地元のこどもたちは仕舞「合浦」「天鼓」や連吟「鶴亀」でも出演します。

■市内の飲食店協力によるこの日限定の特別な弁当「延岡御膳」を提供します(予約制)

■和服で鑑賞されたい方を対象にボランティアによる無料着付けサービスを実施(予約制)

■「光彩華絵巻」ー一当日は市民活動グループ『延岡彩(いろどり)の会』が会場周辺を幻想的にライトアップして、光の演出で皆様をお迎えいたします。

「のべおか天下一薪能」チケット購入ご案内

●座席の種類と金額

指定S席(8,000円) 自由A席(5,000円) 学生券=小学生~大学生(3,000円)

●ハガキ、FAX、メールでのお申し込み

※次の事項を記入してお申し込みください。チケットは郵送となります。
①郵便番号・住所 ②氏名  ③連絡先(電話番号) ④希望の座席種類と枚数座席は事務局で指定します。
・ハガキ 〒882-0813延岡市東本小路131-5 延岡市民協働まちづくりセンター内のべおか天下一市民交流機構
・FAX:O 9 8 2 – 3 2 – 6 1 5 1
・メール:tengaichi@dolphin.ocn.ne.jp

●お支払い方法

チケットに郵便振替用紙を同封します。受領後1週間以内にお振込みください。

●チケットびあ(A席限定)

発売予定日8月20日(日) Pコード527883
・インターネット チケットびあHPから
・店舗購入 全国のセブンイレブン店内マルチコピー機から

●窓口販売(S席.A席学生席)

・延岡総合文化センター 販売中
・延岡市歴史・文化都市推進課(延岡城・内藤記念博物館 販売中

演目紹介

半能 「嵐山あらしやま」

帝に仕える臣下が、勅命を受けて吉野から嵐山に移植したサクラの様子を見にくると、木の下を清め、美しく咲き誇っている花に向かって礼拝する老夫婦に会います。老夫婦は神木である吉野のサクラを移植したのだから嵐山のサクラも神木だから礼拝していると語ります。さらに吉野の木守(こもり)の神、勝手(かって)の神が時折訪れている。その神の力によって、嵐山というものものしい名を持つこの地でも嵐で散らされることなく美しく咲くのだ。その二神こそ私たちだというと去っていきます。夜になると二神が現れ舞を舞います。さらには蔵王権現も現れて光輝く春の盛りを寿ぎます。二神を今回は延岡の子どもたちが演じます。
▽シテ 花守の老人(前) 蔵王権現(後) ▽ツレ 花守の姥(前) 勝手明神・木守明神(後)
▽ワキ 勅使 ▽ワキッレ従臣 【面】 尉大飛出姥

能 「花筐はながたみ」

応神天皇の子孫である大跡部(おおあとべ)皇子は越前国の味真野に暮らしていましたが継体天皇として即位することになりました。都に旅立つ前、寵愛する照日の前に手紙と愛用していた花筐(花籠のこと)を届けます。天皇の即位を喜びながらも突然の別れに寂しく、悲しい気持ちを抑えきれず手紙と花筐を抱いて里に帰るのですが・・・・大和の国玉穂に都を遷都した継体天皇は紅葉見物に出かけると、照日の前が花籠を持った侍女とともに現れ、帝の行列に飛び出します。照日の前は悲しみのあまり正気を失っていたのです。官人にとがめられ、花籠を打ち落とされるのですが、「帝の愛用された花籠を打ち落とすなんて」と泣き伏してしまいます。帝は花籠を手に取り自分のものであったことを確認すると、照日の前の深い情愛に感動し、正気に戻れば一緒に帰ろうというのでした。
▽シテ 照日の前 ▽子方継体天皇 ▽ワキッレ御使
▽ツレ 侍女 ▽ワキ 供奉官人 【面】若女小面

狂言 「二九十八 にくじゅうはち」

清水寺の観世音に参詣にきた男に「西門の一の階(きざはし)に立った女を妻にせよ」とのお告げがくだされます。お告げにしたがって門前に行くと、本当に衣を被った女が立っています。大喜びした男は「ご夢想のお妻さまか」と尋ねると「つまもなき わが身ひとつの狭衣に袖をかたしく独り寝ぞする」と歌で答え、さらに男が住まいを尋ねると「我が宿は春の日奈良の町の内風の当たらぬ里と尋ねよ」と答えます。そこで男は女が春日町で「風の当たらぬ」から外気を遮断して麹などを育てる「室」を意味する\として室町だと言い当てます。さらに春日町と室町の角から何軒目の家かと尋ねると「にく」とだけいうと去っていきます。果たして男は女の家にたどり着き、妻にすることができるのか…。
シテ 男 アド 夢想の妻

(2)振り返るのべおか天下一薪能展

開催時期: 9月23日~10月13日
・場 所:延岡市民協働まちづくりセンター(予定)
・入場無料
1997年の第1回の薪能から2023年第26回公演までの公式記録写真を中心に、さまざまな資料を展示。市民参加によるのべおか天下一薪能の歴史を振り返ります。

(3)光彩華絵巻

・開催日 10月12日17:00頃~
・場所 延岡総合文化センター周辺

延岡市内の市民活動団体「彩の会」が中心になって会場周辺の通路を中心に灯籠などで美しく飾り、雰囲づくりを行います。

出演者プロフィール

片山九郎右衛門 (かたやま くろうえもん)

観世流シテ方。1964年九世片山九郎右衛門=故幽雪(人間国宝)の長男として生まれる。祖母は京舞井上流四世家元の故井上愛 子(人間国宝)、姉は五世井上八千代(人間国宝)。幼少より父、 長じて八世観世鋏之丞(人間国宝)に師事。のべおか天下一薪能をはじめとして各地の能公演のプロデュースなどにも意欲的に取り組む。海外公演にも積極的に参加しており、のべおか天下一薪能ドイツ公演を監修。1997年京都府文化賞奨励賞、2003年京都市芸術新人賞、2-003年文化庁芸術祭新人賞、2007年日
本伝統文化振興財団賞、2015年芸術選奨文部科学大臣新人賞 を受賞。2008年から京都観世会会長、2011年に十世片山九郎右衛門を襲名。

茂山 逸平 (しげやま いっぺい)

大蔵流狂言師。-i979年茂山七五三(人間国宝)の次男として生まれる。祖父は四世千作(人間国宝)。祖父、父らに師事。1983年
「業平餅」の童で初舞台を踏み、能の子方としても活動していた
。父や兄・宗彦や従兄の茂らとともに“お豆腐狂言”の名で知られる茂山千五郎家の中心メンバーの一人として活羅。兄、従兄らと「花形狂言少年隊」「TOPPA!」などを結成し、若い世代
へはもちろん新たな狂言ファン開拓に力を注いでいる。また子ども時代から子役としてテレビ、映画で俳優としても活躍中。 NHKの大河ドラマ「武蔵」や朝の連続テレビ小説「カーネーション」「オードリー」「ごちそうさん」などに出演している。重要無形文化財{呆持者(総合認定)、京都市芸術新人賞、京都府文化奨励賞受賞

宝生欣哉 (ほうしょう きんや) 人間国宝

ワキ方下掛宝生流。1967年東京に生まれる。父・宝生閑(人間
国宝)および祖父・故宝生弥ーに師事Q 8歳「狸々乱」で初舞台。父譲りの凛としたたたずまいと存在感で、高い評価を受けている。海外公演にも多数参加。2000年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2023年能楽界では最年少で人間国宝の認定を受けた。